継続学習(2月分)(その5)

タックスプランニング

金融商品の課税の仕組み

上場株式等の譲渡にかかる課税関係について

  • 上場株式等の譲渡に関する原稿の課税制度

上場株式等*1の譲渡に係る代表的な課税制度

  1. 譲渡税率の軽減(大口株主等である個人を除く)
    平成23年12月31日まで上場株式等の譲渡をした場合の税率は所得税7%・住民税3%とする。
  2. 取得費の特例
    平成13年9月30日以前から引き続き所有していた上場株式等を平成15年1月1日から平成22年12月31日までの間に譲渡した場合、取得費は平成13年10月1日の終値の80%相当額とすることができる。
  3. 譲渡損失の損益通算および繰越控除
    上場株式等の譲渡所得の金額を計算する際、譲渡損失が計上された場合には、他の株式等の譲渡所得の金額と通算できる。なお、通算しきれないときは、その年の翌年以後3年以内の各年において生じた株式等の譲渡所得の金額を限度として控除することができる。ただし、譲渡損失の繰越控除を受けるには、譲渡損失が生じた年分から繰越控除を受ける年分まで、連続して確定申告を提出しておかなければならない。
  4. 特定口座制度
    特定口座を選択すると、一般口座と異なり年間取引の損益計算書を投資家に代わり証券会社が行い、年間取引報告書を作成してくれる。
    1. 源泉徴収選択口座
      一定の要件を満たす金融取引業者(以下、証券会社等)が上場株式等の譲渡益について税金を徴収してくれるので確定申告が不要となる口座
    2. 簡易申告口座
      証券会社等が税金を徴収してくれないため確定申告をする必要がある口座

  • 損益通算の仕組み

損益通算の大原則は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得で損失が生じた場合に、他の所得の黒字と相殺できる。
ただし上場株式等の損失は他の株式等の譲渡所得(平成21年より後述の配当所得含む)の金額とでなければ、損益通算や繰越控除はできない。

  • 配当所得の課税の仕組み

従来、上場株式等の配当所得の課税は、軽減された税率で申告不要を選択するか、超過累進税率で総合課税を選択したうえで、配当控除を選択するかの2通りであった。
これらに加え、平成20年度税制改正により平成21年1月1日から申告分離課税が新たな選択肢として導入された。これにより、申告分離課税を選択した配当所得の金額と上場株式等に係る譲渡損失の金額との損益通算および繰越控除を受けることができるようになった。

税率については平成21年度税制改正により平成23年12月31日までの申告不要および申告分離課税の税率は上場株式等の譲渡をした場合と足並みをそろえるかたちで配当所得においても所得税7%・住民税3%となっている。

*1:証券取引所に上場されている株式のほか、上場不動産投資信託(J-REIT)、上場投資信託(ETF)などをいう。