お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな

視点を変えてみる

お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな (朝日新書)
小宮 一慶
朝日新聞出版
売り上げランキング: 44063
おすすめ度の平均: 4.5
4 貯金もやっぱり大事
4 貯金から投資 さらに投資から貯金へ?
4 将来の資金過不足表が参考になります。
4 金融リテラシー
5 投資を始める前に読む本

今の世の中、「貯蓄から投資」へと言ったところで、その「貯蓄」すらなかなかできないからねえ...。
ということで、この本を一通り読んだ。
いろいろ参考になるところがあったが、まず、「日本人=預金好き」「アメリカ人=投資好き」という刷り込まれた常識に対して まず、

米国では上位1%の純資産を持っている人が、家計が保有する株式金額全体の5割を占めていることを意味します(すごいですね!上位1%の人だけで半分を持っている)。
さらに、上位5%まで枠を広げると、全体の8割近くを持っていることになります。
ビル・ゲイツウォーレン・バフェットをはじめとするごく一部の超富裕層が、金額ベースで米国の家計が持つ株式の大半を保有していることの現れです。
また、松浦論文によると、「これに対し純資産0〜50%の下位階層のウェートは1.2%(1980年)、0.6%(2004年)と無視し得る水準である」。つまり米国では下位50%の層では、
金額ベースで家計が保有する全株式総額のわずか0.6%しか持っていないのです。(p66)

米国の株式保有の偏りを述べ、さらに

さて一方、日本での株式ウェートを見ると、「日本では純金融資産トップ5%の階級ウェートは48.67%(2004年)である。これは米国を約30ポイント下回る水準である。
他方で米国では無視できる水準であった0〜50%の下位階級のウェートは8.96%であり、一定の地位を占めている」とのことです。 日本では、資産保有トップ5%が保有している株式総額は米国ほど大きくなく、逆に下位50%層が保有している株式総額は日本のほうが断然大きいといっているのです。(p69)

として、日本では所得が低い階層の方が米国よりも株式総額に占める割合は大きいというデータを示し、必ずしも「日本人=預金好き」「アメリカ人=投資好き」ではないのではないか。
という今まで信じ込まされていた知識について違った視点を与えてくれる。

他にも、企業を活性化するためにもっと国民は株式を購入すべきという主張と違った視点で意見を述べていたり、参考になる点はいろいろあった。
少しは、経済記事を見る視点が変わるかな。