継続教育(2月分)(その1)

金融資産運用設計

金利の変化に伴った運用の仕方について

  • 変動金利商品と固定金利商品
    • 変動金利商品
      • 変動金利商品は保有期間中に金利水準の変化に連動して利率が変動する商品。普通預金金銭信託MRF(いつでも換金可能)、MMF(30日未満の換金には信託財産留保額が発生)、10年物個人向け国債(中途換金は発行日から1年経過後)などがある。
    • 固定金利商品
      • 購入時に約束された利率が満期まで変わらない商品。スーパー定期や大口定期などの定期預金、債券では個人向け社債や新型窓口販売方式による利付国債(以下、新窓販国債)、5年物個人向け国債(中途換金は発行日から2年経過後)などがある。

一般的に金利がピーク局面および低下傾向の場合、適用金利が連動していく変動金利商品よりも高金利を満期まで維持できる固定金利商品のほうが有利になる。なかでも期間が長いものを選ぶほど得策である。 一方、金利がボトム局面および上昇傾向の場合、低金利に縛られてしまう固定金利商品は不利になりがちである。この場合、換金性を重視して、変動金利商品を選ぶかあるいは比較的運用期間が短めの固定金利商品を選ぶか、いずれにしろ流動性の高い商品を選ぶことが鉄則である。運用期間の長い固定金利商品は、将来、より高い金利商品が出てきたとしても、その時に乗り換えられない。さらに、満期前の解約は、解約手数料がかかったり、金利を下げられたりする場合がある。

債券は、発行時の金利が満期償還時まで定期的に支払われ、満期時に元本は額面金額で償還される。債券の一般的なものとしては固定利付国債がある。 個人が購入できる固定金利付債の代表的なものは新窓販国債(2年物、5年物、10年物)である。

債券は市場で売買されており、満期まで待たずに途中換金できるが、売却時の市場価格(時価)になるので、市場の金利水準の変化によって購入価格を上回る(売却益)場合や下回る場合(売却損)がある。

債券は、金利上昇時には債券価格は下落(利回りは上昇)し、逆に金利低下時では債券価格が上昇(利回りは低下)する。一般的に満期までの残り期間が極めて短い債券は、金利の変動による債券価格のブレが小さくなるが、残り期間が長い債券ほど、ブレが大きくなる傾向がある。

債券購入のポイントは、金利のピーク時および低下時は期間が長めのものを購入して高利回りを確定し、金利がボトム時および上昇時は期間が短めのものを購入して流動性を高めておくことである。

金利は取引する金融商品の満期までの期間が、通常1年を境に短期金利長期金利にわかれる。

一般論として金利の上昇は株価の下落、金利の下落は株価の上昇との逆相関関係にあると言われるが、順相関関係に近い動きをする時期もある。