ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

電子のキャンバスへようこそ

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
ポール グレアム
オーム社
売り上げランキング: 789
おすすめ度の平均: 4.5
5 自己実現・自己表現のために一生愛用できる武器を手にせよ
3 ハッカーの思考
5 ハッカーの恍惚に溢れるエッセイ集
5 痛快です
5 案外、歴史的書物かもしれない

いずれ読もうと思ってしばらく読んでいなかった本。

確かに独特の思想が所々垣間見えて、刺激的な読み物だった。つい最近Lispに近い文法のMonkという言語で書かれたプログラムを読む必要があって多少Lispも勉強していたが、時間があったらまたLispも勉強しておこうか。と思うぐらいLispの良さについても強調されているなあ。とも。

印象に残ったのは、第0章 メイド・イン・USA

幾世紀にもわたって、日本人は私たち西洋人よりも精緻なものを作ってきた。1200年に作られた日本刀は、その時代に作られたことが信じられないほどだ。おそらく、日本車が米国車よりきっちりしているのは、日本できちんとした家具が作られてきたことと同じ理由による。彼らは、ものをうまく作ることに取り憑かれているんだ。(p3)

とある。この章が日本語版独自の章だからある程度「日本びいき」に書かれているとしても、まだまだ日本という国は「もの作り」においては世界で賞賛されているのだなあ。と感じる。
ただ、後数年も経ったらこの評価が変わっていくのかもしれないとも思う。

第9章 ものつくりのセンスより

良いデザインは単純である。
良いデザインは永遠である。
良いデザインは正しい問題を解決する。
良いデザインは想像力を喚起する。
良いデザインはしばしばちょっと滑稽だ。
良いデザインをするのは難しい。
良いデザインは簡単に見える。
良いデザインは対称性を使う。
良いデザインは自然に似る。
良いデザインは再デザインだ。
良いデザインは模倣する。
良いデザインはしばしば奇妙だ。
良いデザインは集団で生起する。
良いデザインはしばしば大胆だ。(p137-p159)