グーグル時代の情報整理術

情報は雲の向こうへ

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
ダグラス・C. メリル ジェイムズ・A. マーティン
早川書房
売り上げランキング: 465
おすすめ度の平均: 5.0
5 決してデジタルだけの話ではなくて
5 いつでも検索できる時代だけに、技もまた進化する

最近流行りの「整理術」の本ではある。 この本を読んで一番印象に残ったのは、

 アルベルトアインシュタインと散歩に出たひとりの記者が、あとで質問が生じたときのために、彼の電話番号を尋ねた。アインシュタインは「分かった」と答えて、公衆電話の方へ歩いていった。何をするかと思えば、電話帳を手に取り、自分の電話番号を調べ、記者に読み上げたのだ。記者が驚くと、アインシュタインはこう答えた。「電話帳に書いているのに、なんでわざわざ覚えなきゃならんだね。」  作り話だ、とみなさんも思っただろう。しかし、よくできた話だ。重要な物事に脳を集中させるには、不要な情報を頭から追い出す必要があるということを見事にあらわすエピソードだ。(P27,P28)

 つまり、「知識は力なり」が成り立っていたのは、知識が得がたいものであり、師弟制度が知識を得るための主な手段だった時代だ。しかし、安価なコミュニケーションが普及した現代、知識はすぐに広まってしまうため、力を維持するのは難しい。したがって、膨大な知識を頭の中に詰め込むのは無意味だ。むしろ、知識を蓄積して整理し、必要なときにいつでも利用・再生出来る術を身に付ける方が、はるかに効果的な戦術なのだ。(P65)

の箇所だ。今までの自分はひたすら知識を吸収しようとし、いかに自分だけのものしようかと汲々としていた。もはやそんな考え方は時代遅れの考え方なのだ。
この本を読んでやっと気が付いた。
今後はもっと「忘れる」(必要な情報はいつでも取得できるようにしておけば良いのだから..)事もしていこう。

整理術の原則(おさらい)
1. 脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
2. なるべく早く、頭の中から情報を追い出そう
3. "ながら作業"は一般的に効率を低下させる
4. 物語を作って覚えよう
5. いつもそうしているからといって、そうしなければならないわけではない
6. 知識は力ならず、知識の共有こそ力なり
7. 思い込みの成約ではなく、現実的な成約をくぐり抜ける術を見に付けよう
8. 自分を決め付けるのではなく、自分自身に心から正直になろう
9. 成約を無視すべきケースを知ろう
10. エンジンをかける前に、どこへ向かっているのか、どうやって向かうのかを明確にしよう
11. 目標の達成方法に幅を持たせよう
12. 情報を整理するのではなく、検索しよう
13. 本当に記憶の必要な物事だけを記憶しよう
14. 大きなかたまりを、小さなかたまりに分けよう
15. 週一回、重要な情報を見直す時間を設けよう
16. 完璧な整理術などない
17. あとで検索しやすいように、デジタル情報には関連キーワードを追加しよう
18. 文脈の変化を見越して、メモを取っておこう
19. 文脈の似た仕事をまとめて行なおう
20. 仕事とプライベートのバランスを取るのではなく、融合させよう
(P331,P332)