若き数学者のアメリカ

気鋭の数学者はアメリカに何を見たのだろうか

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 11526
おすすめ度の平均: 4.5
5 生き生きと綴った若き数学者の留学体験記
5 遅咲きの青春期
5 脚色ありやなしや
4 20のころ読書
5 思わず感情移入してしまいました

この本も帰省時に新幹線で読んでいた本。
タイトルからはお高くとまった学者さんの自慢話でも書いているのかと思ったが、
気負いと不安を抱えた等身大の青年の留学記だった。

何より想像力の乏しい自分ですら、実際に筆者の傍でその情景を見ているかのような
臨場感がある文体で一気に読めた。

始まりのハワイ。
金銭欲に染まったラスベガス。
雪のミシガン。
太陽のフロリダ。
無邪気さの中にも闇を抱えた子供たち。
異国の地での教師。
アメリカの学生群像。

自分の頭では学者としての留学なんてまずありえない話ではあるが、
とても興味深い体験談だった。