[FP] 継続学習(金融資産運用設計)

金融資産運用設計

株価で見る投資家心理

個人投資家は、知識の錯覚やコントロールの錯覚などにより、自信過剰に陥り、リスクを高くとってしまう傾向がある。

      • 知識の錯覚

知識の錯覚(illusion of knowledge)とは、多くの情報を得れば得るほど、それを基にした判断は正しいと思い込むことである。これにより、本来まったく関係のない過去のデータという情報でさえ、正しい判断の根拠となるように考えてしまうのである。

コントロールの錯覚(illusion of control)とは、自分がコントロールできない結果でさえ、コントロールできると思ってしまうことである。自分が今後の株価の行く末をコントロールできる気がするという自信過剰(overconfidence)に陥り、リスクを高くとってしまう傾向がある。

株価などの上昇が続くと市場参加者の多くに利益が出る。その結果リスクをとれる投資家が増える。それがバブル相場を作り出す一因になる。

購入時および売却時にはアンカリング(anchoring)と言われる投資家心理が働く。合理的な行動としてはファンダメンタルから現在の株価水準を判断すべきであるのに、自分の取得価格や直近の高値が碇となって投資判断が引っ張られてしまうことである。

また、カリフォルニア大学のテランス・オディーン教授の気質効果(diposition effect)の実証研究によると、含み損の利益確定割合は全損失の15.5%であるが、含み損の利益確定割合は全利益の23.3%あった。損失確定を行動に移すことの難しさの表れである。

株式投資美人投票に例えられるとおり、自分がどう思うかよりも多くの方がどう思うかが大切になる。