[FP] 継続学習(ライフプランニング・リタイアメントプラニング)

ライフプランニング・リタイアメントプラニング

年次有給休暇精度の基本と時間単位付与

平成22年4月、改正労働基準法が施行された。改正事項の目玉の1つが年次有給休暇の時間単位付与制度の創設がある。

年次有給休暇(以下、「年休」という)制度は、労働基準法が定める制度のなかでも、最も広く知られている制度の1つと言えるが、十分にその利用が促進されているとまではいえない状況である。この状況を受けて、政府は「労働時間等見直しガイドライン」を改正した(原則として平成22年4月1日適用)。

    • 原則として理由の如何にかかわらず取得が認められている。
    • 休暇取得日について、有給とすることが法律で義務づけられている。

年休は、最初の雇い入れ日から6ヶ月間継続勤務*1し、かつ、その6ヶ月間の出勤率が8割以上である労働者に対し、原則として10日付与される*2。継続勤務6ヶ月経過日が、その労働者の「基準日」となり*3、その後毎年基準日ごとに新たな年休が発生する。

年休取得日は、原則として労働者が自由に指定できる。しかし、労働者が年休請求による時季指定した日について、年休付与することが事業の正常な運営を妨げる場合においては、事業主はその時季を変更することができる。

  • 年休の時間単位付与

年休の「時間単位」の付与については、平成22年3月までは例外なく違法とされていた。しかし、平成22年4月の改正労働基準法施行により、一定の条件を満たすことで認められることになった。

実際に年休の時間単位付与を導入するためには、書面による労使協定の締結が必要である。労使協定で定めなければならない事項は、次のとおり。

    1. 時間単位付与の対象労働者の範囲
    2. 時間単位付与が可能な年休日数
    3. 時間単位付与の年休の1日分の時間数
    4. 1時間以外の時間を単位とする場合は、その時間数

  • 時間単位付与とその運用

年休を時間単位で活用できる場合であっても、あくまでも通常の年休と同様で、事前に請求することが原則である。

*1:「継続勤務」とは、労働契約の存続期間を言う。パートから正社員に変更された場合等は、前後の期間を通算する。期間の定めのある労働契約が更新された場合も前後の期間を通算する。

*2:全労働日の出勤率が8割未満となったときは、年休はまったく付与されない。

*3:全労働者に対して統一基準日を適用する場合も少なくない。