サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く

一般解かそれとも特殊解か

サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く (朝日新書)
岡本 吏郎
朝日新聞出版
売り上げランキング: 2013
おすすめ度の平均: 4.0
4 「お金リテラシー」の重要性
3 ちょっと極端かなーという面もありますが、有用。
2 節約だけでは・・・
4 一つの極論だが、それだけに自分がどのような選択をするかの物差しとして有効
4 堅実に貯めるために

この本の結論は「第一章 サラリーマンの"お金の大原則"」で書かれている。

実は、サラリーマンの経済的な問題の解は簡単です。だって、小学校の算数の知識さえあれば誰でもわかることなのですから...。
その誰でもわかることを、「そんなことかよー」と言われてしまうのは承知で言い切ってしまいます。あまりにも当たり前のことですから、怒らないでくださいね。

収入よりも少ない支出で生活すればいい。

これだけです。

当たり前と言えば当たり前な結論ではあるが、まあ、なかなかそれが出来ているかといえば難しいだろう。 本書では人生の成功者達の事例を参考にしたところでそれはあくまで「特殊解」でしかなく、凡人は「一般解」でいくべきだとして、

    • 持ち家を持つべきなのか。
    • 医療保険は有用か。
    • 株式はアクティブ運用でいくべきかパッシブ運用でいくべきか。

等について「一般解」を紹介している。ある程度有用なのではないだろうか。

でも、本書で一番印象深いのは、「あとがき」の

皮肉なことですが、「サラリーマン」という言葉が生まれる前までは、サラリーマンはエリートでした。しかし、この言葉が生まれた頃から、サラリーマン労働の対価は大幅に下落します。
専門学校や大学の卒業者数が増大したことと、事務労働の機械化が対価下落の要因でした。企業は、学卒者の「知識」を高価格で購入する必要がなくなりました。
サラリーマンは、「出世は夢に過ぎないこと」を発見します。日本が軍国主義に走り出す昭和初期に、サラリーマンは、夢を喪失したのです。

だった。人は何度も同じようなことを繰り返すというのだろうか...。