相続はおそろしい

「相続」か「争続」か

相続はおそろしい (幻冬舎新書)
平林 亮子
幻冬舎
売り上げランキング: 123600
おすすめ度の平均: 3.5
2 例えるなら、球は投げたが返ってこない本。
5 特に相続についてほとんど知らない人には良い内容と思いました
5 最高の良著です。
1 「おそろしい」と言ってはいても
4 大変、勉強になりました。

自分には縁遠いものに思われがちで、あまり意識していない「相続」を扱った本。
一見取っつきにくい相続について短編の物語として纏めているので読み易い。「ウチには大して財産なんかないから..。」という人でも一読しておいて損はないと思う。
相続放棄*1の手続きについても

相続放棄の手続きは、意外と時間がかかる。
なぜなら、自分の戸籍謄本に加え、被相続人の戸籍謄本も必要になるからだ。
戸籍関係の証明書は、本籍地の市区町村でしかとることができない。被相続人がどこに本籍を置いているかによっては、2、3日があっという間に過ぎてしまうことがある。(p43)

という注意すべき点が記載されているし、
遺言についても、

遺言を作成したら、その存在を家族に伝えておこう。遺言の存在に気づいてもらえなければ、その役割を果たせなくなるからだ。
また、開封は慎重に行う必要がある。検認が必要な場合には、できるだけ早く検認の申請をするとよいだろう。
実際の検認作業まで1ヶ月ほどの時間を要することがあることを忘れずに。(p111)

というように予め知っていると慌てなくて済むようなことが物語のかたちで頭に入ってくるので、覚えやすいのではないだろうか。

*1:一切の財産を受け継がないということ。原則として被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きをする必要がある